春の妖精たち

−植物の生存戦略−

 落葉広葉樹林の林床には、早春にスプリングエフェメラル(春のはかない命)と呼ばれるカタクリなど一群の小さな植物たちが現れます。雪解けとともにすばやく芽を出し美しい花を咲かせる植物たちですが、短い期間で消えていってしまいます。そんな春植物を中心に、ミズヒキ、ギンリョウソウ、フジやクズなどのつる植物、ヒガンバナなど様々な植物の光に対する競争やすみわけなど、生きていくための戦略について考えていきます。

2003年 科学技術映像祭 文部科学大臣賞 受賞作品

<主な参考文献>

河野昭一著 「カタクリの花が咲くころ」平凡社 アニマ No,134

河野昭一著 「植物の世界」第1号 教育社


栗田子郎 「ヒガンバナの博物誌」 研成社

 

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カタクリの開花

種子を運ぶアリ

カタクリの花は日が出てくるとみるみるうちに開花する。開花に要する時間は30分ほどであろうか。同じところにあっても陰になっているものは開花が遅れる。雨の日には開かない。午後3時頃になって、雨が止んで日が射してきてカタクリの花が一斉に開き始めたことがあった。

カタクリの種子にはエライオソームと呼ばれる脂質に富んだ部分がある。そのエライオソームがアリを惹きつけ、アリは種子を巣に運んでいく。種子の本体は食べられることはない。アリによって親から離れた場所に移動するというだけでなく、巣の中で寒さや乾燥から守られるということもあるようである。

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