同じ落葉樹の森の5月のはじめと6月の様子を比べてみましょう。

どのような違いがあるかわかりますか。

5月の森は地面にまで日がさし込んで、たいへん明るいのがわかります。

照度計で測ってみると6万ルクス以上もの明るさがありました。

それに対してひと月後の森は薄暗い感じがします。

照度計の目盛りは2300ルクスをさしています。5月の始めの30分の1の明るさしかありません。

樹木が皆、葉を広げ地面には少ししか光がとどかないのです。

春植物たちがこのように短い期間しか地上に姿を現さない理由がここにあります。

光合成をするのに十分な光を、その期間だけしか得ることができないのです。

これらの春植物たちは春に雪が溶けてから落葉樹が葉を広げ上をおおってしまうまでのわずかの期間の明るい日ざしをうまく使って生きている植物たちなのです。

全く見つからないと思っていたカタクリも、良く注意をしてみると果実だけが、まだ緑色で残っていました。

そしてその下にうすい膜のようになった葉の残がいがありました。

栄養分が種子や地下の球根にすっかり吸収されてしまっているのです。

これら春植物たちは1年分の栄養をひと月ほどの短い期間で稼いでしまい、あとは地下の球根や種子の形で、つぎの年の春まで眠っているのです。

(カタクリの種子がアリによって運ばれます。)

(種子にはエライオソームと呼ばれる脂肪分にとんだものが付いていて、それを求めてアリがやってくるのです。)

(アリに運ばれることによって、種子は乾燥から守られ、さらに分布を広げていくのです。)

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−植物の生存戦略−

春の妖精たち

6月の森

カタクリの果実

カタクリの種子

カタクリの球根