森の中の生きものの関係は食物連鎖の関係だけではありません。

森では季節ごとに様々な花が咲いて私たちの目を楽しませてくれます。

けれどもこれらの花は人間のために咲いているのではありません。

エンゴサクの花にやってきたのは、厳しい冬を生き延びたヤマキチョウです。

トチの花に来ているのはアサギマダラ。花は花弁を赤くすることで、蜜があることを知らせています。

チョウはもっぱら蜜を吸うために花にやってきます。カロリーの高い花の蜜は空をとぶためのエネルギー源として最適です。

こちらではツツジの花にマルハナバチが来ています。

ハナバチの仲間は、蜜だけでなく、タンパク質などの栄養に富んだ花粉も利用します。

蜜と花粉を巣に運んで子供たちを育てるのです。

ハナバチは生きていくための食糧のすべてを花から得てます。

では花は何のために蜜まで出して虫たちにサービスしているのでしょうか。

森の中でもブナやミズナラは地味な色の花をたくさんつけます。

これらは、風によって花粉を運ぶ風媒花と呼ばれる花たちです。

けれども風まかせで受粉を行うためには大量の花粉をつくらなければなりません。

それに対し、これらの花は虫によって花粉を運んでもらうことにしたのです。

それによって花は少ない花粉を確実に運んでもらうことができます。

そしてそのために甘い蜜を用意し目立つ花を咲かせて虫達に宣伝しているのです。

このような花は虫媒花と呼ばれています。

虫に花粉を運んでもらうというこの作戦はいつも成功しているわけではありません。

この大きなマルハナバチは花の付け根に穴をあけて蜜をとっています。

これでは、蜜だけもっていかれて、肝心の花粉を運んでもらうことはできません。

虫と花の間にもいろいろなかけひきがあるようです。

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−ブナとミズナラの森−

森のしくみ

トチの花に来たアサギマダラ

キケマンから盗蜜するハナバチ

ブナの雄花

ミズナラの雄花

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