植物のデザイン

葉、茎、根、花〜果実 形に潜む謎

― 第2章 ― 茎のデザイン

茎はいったい、どんなはたらきをしているのでしょうか?

もし、茎がなかったら、植物はみな地面にへばりついた、ゼニゴケのようなものばかり、ということになってしまいます。

茎は多くの光を受け取ることができるように、葉を高く持ち上げて空間に配置します。

まあ中には、地面を這ったり、栄養分をたくわえたりといった変り者の茎もありますが。

さらに茎の中には根と葉を結ぶ水や栄養分の輸送パイプが入っています。

茎の内部がどのようなつくりになっているのか、実際に見てみましょう。

これはコスモスの茎の断面です。

表皮からやや内側の位置に特徴のある構造が並んでいます。

維管束と呼ばれる部分です。

維管束のはたらきを示す実験をひとつ紹介しましょう。

といっても、茎を切り取って薄めたインクにつけておくだけですが。

しばらく経って断面を観察すると維管束の一部がインクで染まっています。

特によく染まっているのは大きな穴の周りです。

この穴は道管といって、根から吸収した水と無機養分のとおり道です。

茎を縦に切ったものを見てみましょう。

らせん状や環状の独特の模様をもっているのが道管で、中身のなくなった細長い細胞が縦につながって出来ています。
道管のこの模様は何のためにあるのでしょうか。

植物の茎では水が吸い上げられていくときに、中の圧力が減ることによって道管をつぶすような力が働きます。

けれどもこのリングで補強しておけば大丈夫、つぶれることはありません。

これらの模様は、細胞壁が部分的に厚くなって道管を丈夫にしているのです。

道管のまわりには他にも何種類かの細胞があって茎を丈夫にしたり栄養分を貯蔵したりといったはたらきをしています。

これらの細胞も含めて道管のまわりの部分は木部と呼ばれています。

草の茎

樹木の幹

コスモスの茎

道管(横断面)

道管(縦断面)

水が吸い上げられるとき、
管の中に陰圧が生じる

道管の肥厚は管がつぶれるのを防ぐ

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