植物のデザイン

葉、茎、根、花〜果実 形に潜む謎

― 終章 ― まとめ デザインの意味

私たち動物とは全く異なる生命体である植物を理解するのはなかなか難しいようです。

例えば栄養のとりかた。 植物にとっては、降り注ぐ光が栄養であり、二酸化炭素や水が栄養です。

まるで霞を食べて生きているという仙人のようなものですね。

移動することができないというのも植物の特徴です。

生えている場所から避難することの出来ない植物は、まわりの環境条件にうまく適応して生きていくしかありません。

強い風をやりすごすためのしなやかな草の茎も、水の中でも呼吸できるイグサの葉や水草の茎の中のすき間もそのための工夫です。

動物に食べられないように棘を備えたり、さらには、したたかにもエサを求めてやってくる虫や鳥たちを利用したりもしています。

結局、これら植物の形は、どのようにしてデザインされていると言えるのでしょうか。

植物が陸上に進出し葉や茎を持つようになったのは今から3億年から4億年も前のことです。

また、虫を惹きつける美しい花が現れてきたのは1億年ぐらい前、中生代の白亜紀と呼ばれる恐竜の時代です。

植物の形はこのような長い年月をかけてつくられてきたのです。

その長い年月の間には、生物の設計図である遺伝子が変化し、植物の姿も変化していきます。少しずつ、そして時には大きく。

変化した植物は自然のふるいにかけられ、環境に適応したものが残っていきます。

運、不運がその植物の運命を左右するということもあったでしょう。

現在の、多様でみごとに環境に適応した植物たちの姿はこのようにしてつくられてきたのです。

デザイナーは植物自身でしょうか。

それともその植物をとりまく自然環境でしょうか。

あるいは、長い年月がデザイナーなのかもしれません。

けれども、どうして人がそこに美しさを感じるのか、それは依然として謎のままです。

イ草

 イ草、髄の星状細胞

チガヤ

ハナイカダ

ホウチャクソウ

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