シダ植物

−太古の森の末裔たち−

シナリオより

石炭紀の巨大シダ

ヒカゲノカズラ

マツバラン

シダの維管束

現在、地球上では花を咲かせる種子植物が繁栄し、シダ植物は目立たないところで細々と生きているかのようです。

けれども今から約3億年ぐらい前には、巨大なシダ植物の仲間が繁栄し森をつくっていた時代がありました。

古生代の石炭紀といわれる時代です。

このレピドデンドロンは幹の直径  m高さ40mにもなるシダ植物の大木です。小さな鱗片状の葉や、枝が二叉にわかれていくところは、ヒカゲノカズラを思いおこさせます。

カラミテスはスギナやトクサの仲間ですが、  mもの高さがありました。

さらに時代をさかのぼった4億2千万年ほど前の地層からは、水辺から陸上に進出したばかりの、シダ植物の祖先たちの化石も出てきます。

リニアとよばれるこの植物は、緑色の軸のようなものが二叉に分かれただけの姿をしていました。

現在のマツバランというシダがこのリニアの姿を彷彿とさせてくれます。

植物は、背を高くするという方向へ進化していきました。

背が高いほうが光合成のため、より多くの光を受けとることができるからです。

前葉体のほうは、受精に水が必要なため、大きくなることはできません。もっぱら胞子体を大きくしていったのです。

けれども背が高くなるためには土から吸収した水と養分を上のほうへ運ばなければなりません。

そのための輸送経路である維管束がシダ植物ではじめてつくられました。

仮導管。これが水や栄養分を運ぶための経路です。

光合成でつくられた糖分を運ぶための師管もできました。

この輸送システムの発明によって、シダ植物は飛躍的に大きくなることができたのです。

それにともなって、植物体の上のほうではより効率的に光を受けとめ、光合成をするための器官として葉がつくられ、下のほうでは水や養分を効率的に吸収するための器官である根がつくられていきました。

根、茎、葉という植物の基本形な形が、シダ植物において初めてつくられたのです。

現在では、シダ植物から進化した種子植物が、寒冷な極地や高山から乾燥した場所まで地球上のあらゆるところに進出し繁栄しています。

種子植物との競争に敗れたシダ植物は体を小さくし、森の中など少ない光でも生きていけるようになっていったようです。

石炭紀の森の主役たちも、今ではこんなに小さくなってしまいました。

けれどもシダ植物は、もうひとつの別の姿で生き続けているように思われます。
 
維管束という水や養分の輸送システム、根・茎・葉からなる陸上植物の体のつくり、種子植物もまたシダ植物のその基本的なシステムを受け継いでいます。

シダ植物はこれら種子植物の中にも生き続け、繁栄しているのです。

 終

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