照葉樹林

文化の故郷

 カシやツバキなどの仲間から成る照葉樹林は、日本だけでなく、中国南部やインドシナ半島を経てヒマラヤ山麓にまで広く分布しています。

 そしてこの地域には栽培植物を中心とした共通の文化があることが中尾佐助によって紹介されました。

 私たちの主食であるお米をはじめヒエ、アワ、キビなどの穀類、アズキやダイズ、サトイモやヤマイモの仲間などがこの地域の重要な食物になっています。

 お茶もこの地域が原産です。

他にもミカンやビワ、コンニャク、ソバ、シソなど多くの食べ物が共通に利用されています。

 食品の加工法にも独特なものが見られます。

クズやワラビの根、ドングリなどは、つぶして水に晒すことによって渋やあく抜きをしてデンプンがとり出されます。

この水さらしの方法によって、マムシグサやヒガンバナなどの球根も、毒を除いて食べられるようにしたようです。

他にもコウジを利用した酒づくり、ナットウ、チマキやモチなど様々な加工法が見られます。

 共通に見られるのは食べ物だけではありません。

カイコから取る絹糸、ウルシ塗り、竹細工などもこの地域に共通の文化です。

 さらに自然に対する信仰や、神話などの精神文化においても共通性が見られるのではないかと考えられています。

 このような東アジアの照葉樹林地帯にみられる栽培植物を中心とした文化は照葉樹林文化と呼ばれています。

 この照葉樹林文化は人々が森の中で採集や狩猟の生活をしていた頃から、いろいろな作物を栽培し農耕生活へと移っていくまでの長い時間をかけて形づくられてきたようです。

 人々は森の恵みを利用し、自然と調和しながら生きていたのです。

 けれども、やがて人間は自然を大きく作り変えるようになっていきました。

森が焼き払われ、大規模に水田が開かれ、さらに時代が進むにしたがって照葉樹林は急激に姿を消していったようです。

照葉樹林地帯

イネ 

五穀(ヒエ、アワ、キビ、アズキ、ダイズ)

 ナットウ

 シカ

 サカキ

ミカン

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