たったひとつの細胞からできているゾウリムシ。

けれどもそれは、食胞、収縮胞など、様々な細胞器官をもち、生きていくのに必要なすべてのことを行っている細胞です。

また、この細胞は大核と小核という2つの核をもっていました。

小核は接合の時にだけ活発な動きをみせ、卵や精子のような生殖細胞の核にあたります。

一方、普段活動している大核は体細胞の核にあたります。

2つの核をもつ、この奇妙な細胞は小核をもつ生殖細胞と大核をもつ体細胞が細胞質を共有しているという見方をすることができるかも知れません。

しかも大核は小核の数十倍もの遺伝子をもっています。

核の量からは1匹のゾウリムシは数十個の細胞からなる多細胞動物のようなものなのです。

さらに違った見方をすることもできます。

接合により、新しい遺伝子をもったゾウリムシは分裂をくりかえしながら数を増やしていきます。

このゾウリムシの集団をひとつの生物体とみなすこともできるのです。

それはちょうど、受精卵の分裂によって多細胞動物のたくさんの細胞がつくられるのと同じです。

多細胞動物の体が年老いていくのと同じように、ゾウリムシの集団も分裂をくりかえすにつれて老化していきます。

また多細胞動物が卵と精子の受精によって新しい世代をつくっていくのと同様に、ゾウリムシも接合によってによってその命を次の世代へバトンタッチしていきます。

ゾウリムシは私たち多細胞動物とは、違った方向へと進化した、ひとつの完成された生命の姿なのです。

レーウェンフックの時代から300年以上たった現在でも、この微生物の世界は不思議で満ちています。

そして、生命に関する新たな疑問を次々と私たちになげかけてくるようです

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ゾウリムシ

大核と小核の役割

複雑な単細胞

ゾウリムシの集団が多細胞動物の1個体に相当する?

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